この住宅は新興住宅地の宅地内道路角地に建つ。廻りを新しいメーカー住宅に囲まれ、風情のある場所とは言いがたいロケーションである。

角地でもあり、周りの住宅地からの借景として成立すべく、潤いある質感豊かな佇まいをめざした。

全体は大屋根に包まれた母屋とアプローチ通路をはさむ離れ、建物を敷地に対して斜めに振ることでできる大小様々な庭で構成されている。また敷地の高低差を建物レベルに取り込み、小さいながらも立体感ある構成となっている。

前庭は柵など取り付けず、出来る限りオープンなものとしたことで、おおらかな構えとなった。施主の英断に拠る部分が大きいのは言うまでも無い。